過去問
以下より、工作物石綿事前調査者講習の過去問及び解答をPDFデータでダウンロードしていただけます。
なお、公開に当たり一部問題の加筆・修正を行い再構成しています。
出題例
当機構の工作物石綿事前調査者講習の筆記試験は、マークシート方式で40問程度の出題数であり、6割以上の正答率で合格となります。内容は調査者として必要な知識を厳選し、その理解を問うものです。
講習は長時間ですが、調査者として必要な知識の習得を到達点とし、ポイントを定めて解説します。
必要な受講要件をお持ちの上で、講義に集中して受講していただければ、十分に合格できるレベルです。以下の例題もご参考ください。
“工作物石綿事前調査者に関する基礎知識” から
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問工作物の事前調査に関する次の1~4の説明のうち、不適切なものはどれか。
- 特定工作物以外の工作物については、事前調査の対象とならない。
- 既存の塗装の上に新たに塗装を塗る作業で、現存する材料等の除去は行わない場合、事前調査の対象とはならない。
- 2026(令和8)年1月1日からは、特定工作物について、工作物石綿事前調査者等の有資格者による事前調査が必要となる。
- 2026(令和8)年1月1日からは、特定工作物以外の工作物ついて、塗料その他の石綿等が使用されているおそれのある材料の除去等の作業に係る事前調査については、工作物石綿事前調査者等の有資格者による事前調査が必要となる。
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解答をみる正答:1
特定工作物以外の工作物についても事前調査の対象となる。事前調査は建築物、工作物又は船舶の解体又は改修工事を行う際に、事前調査の対象外となる作業を除き、義務付けられている。
“石綿使用に係る工作物図面調査” から
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問工作物に使用されている石綿含有資材に関する1~4の説明のうち、不適切なものはどれか。
- 燃焼炉やボイラー、タービンといった高熱となる設備の本体や配管などに、熱の伝導を防ぐ目的で、石綿保温材等が施工されている場合がある。
- 工業プラント等で使用されるガスケット・パッキンには、耐熱性や耐薬品性、締め付け力への許容性などが求められたことから、石綿を含有するものが広く使用されていた。
- 焼却設備においては、燃焼室、燃焼室付帯設備、配管、弁、通風設備ダクト、壁、柱、はり部分に、耐火物、パッキン、シール材、保温材、ガスケット、吹付け石綿等の石綿含有資材が使用されている。
- 電気設備においては、主に、防音、断熱、耐火、絶縁、気密のために石綿が使用された。発電設備、配電設備、変電設備での使用が主であり、送電設備には使用されていない。
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解答をみる正答:4
送電設備にも石綿含有資材が使用されている場合がある。
“現場調査の実際と留意点” から
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問石綿含有資材調査に関する次の1~4の説明のうち、不適切なものはどれか。
- ガスケット・パッキンは、フランジなどを開放した場合、復旧に際しては新品に置き換えるのが必須とされるため、書面調査に当たっては、該当部分の配管などが設置・更新・定期修理などされた時期を確認することが有効である。
- ボイラーについては、「ボイラー設置届」や「小型ボイラー設置報告書」と添付書類を確認することで、各機器の設置状況や仕様を確認できるほか、使用されている石綿含有資材に関する情報を得られる可能性もある。
- ボイラーにおける検査証の有効期間は原則1年ないし2年となっており、直近の性能検査の日付などの記録を確認すれば、検査対象部分の全てについて、石綿が含有されていないと確認できる。
- 設計図書の作成者は、石綿含有建材のレベル1~3の区分は全く意識していないため、設計図書から得られる情報にはレベルが混在している。
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解答をみる正答:3
検査対象部分の全てではなく、検査時に交換されたガスケット・パッキンについて、石綿が含有されていないと確認できる場合がある。
“工作物石綿事前調査報告書の作成”から
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問調査報告書に関する次の1~4の説明のうち、不適切なものはどれか。
- 調査報告書は、表紙、調査概要説明、調査結果、分析調査報告書(分析調査を行った場合)等で構成する。
- 調査報告書には、石綿含有無しとした場合の判断根拠、石綿ありとみなした場合の根拠などを分かりやすく表記し、根拠となる資料を添付する。
- 調査報告書には、工事対象箇所の調査できた場所の対象資材に関してのみ記載すればよく、調査できなかった場所については明示する必要はない。
- 調査報告書には、調査者の資格証の写し、分析調査を実施した場合は、分析者の資格証の写しを添付する。
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解答をみる正答:3
調査報告書には、調査できなかった場所についても明示する。